周産期母子医療センター

周産期母子
医療センター

研究概要

本研究は、妊娠中の女性を対象にして、心理療法である認知行動療法(CBT)アプリ「ライジングかあさん」が産後の抑うつや不安症状を軽減する効果があるかを調べるものです。
このアプリは、有効性が科学的に証明されたCBTに基づいて作成されています。精神的な耐久性や回復力“レジリエンス”を鍛えることで、ストレスに上手く対応することができ、抑うつや不安が改善されることが期待されます。
世界的にみても約10-20%の女性が妊娠中から産後に、うつ病などの精神的な疾患にかかりますが、現時点では、予防するための明確な方法は確立されていません。本研究では、気分の変化に寄り添えるようなアプリを開発し、産後の抑うつや不安を改善できるアプリを開発することを目指しています。気分が上昇してrising、おかあさんに輝いていてほしいと願いを込めて「ライジングかあさん」と命名しました。

ライジングかあさんプロジェクト

研究背景

日本では産後1か月で約13.5%、産後半年でも約10%の女性が、うつ病などの精神疾患を発症します。産後うつ病を発症した人の約30%は妊娠中から症状が出現しているとの報告があります。
周産期のうつ病は、母体の自殺リスクや児童虐待のリスクを高め、周産期の母親の精神状態が児の長期的な情緒的発達に影響を与え、児の認知機能を低下させるという報告もあります。さらに、母の産後うつ病がパートナーのメンタルヘルスを低下させるともされ、周産期うつ病を発症することで母体のみならず児やパートナーといった家族にも影響を与えることが分かっています。
抑うつや不安などの精神症状にはCBTが有効ですが、人的・経済的・時間的な問題から、あまり取り組まれていません。そこで、本研究では、妊娠中の女性を対象に、CBTアプリを開発し、抑うつ・不安症状の改善を検証することを目的としています。

取り組んでいただくこと

アプリをダウンロードしていただき、初回アンケートを解凍後、スマートフォン上でレッスンを受けていただきます。レッスンは、ご都合の良いタイミングで1日5分程度から取り組んでいただけます。アプリダウンロード後から12カ月間、毎月1回、アンケートに答えていただきます。

注意事項

名古屋市立大学病院を受診した妊産婦さんの中で、基準を満たした方に、研究参加の案内をさせていただきます。
一般の方が自由に本研究に応募することはできません。

倫理審査

このアプリに関する研究は公立大学法人 名古屋市立大学大学院 医学研究科長および名古屋市立大学病院長が設置する医学系研究倫理審査委員会(所在地:名古屋市瑞穂区瑞穂町字川澄1)にて医学、歯学、薬学その他の医療又は臨床研究に関する専門家や専門以外の方々により倫理性や科学性が十分であるかどうかの審査を受け、実施することが承認されています。またこれらの委員会では、このアプリに関する研究が適正に実施されているか継続して審査を行います。なお、両倫理委員会にかかわる規程等は、以下、ホームページよりご確認いただくことができます。

ページ上部
へ戻る