名古屋市⽴⼤学 産科婦⼈科学教室

不育症・習慣流産のみなさんへ

14. 原因不明反復流産に対する
薬剤投与

原因不明の患者さんは薬剤投与の必要性はなく、一定の確率で成功できます。2回流産なら80%、3回70%、4回60%、5回50%の方が次の妊娠で出産できます(図25)。
私たちも過去に原因不明習慣流産に対する免疫療法、アスピリン、ヘパリン、ピシバニール(OK-432)、ステロイドなどいろいろな治療を試みてきました。しかし薬物療法なしと比較して生産率が上昇した方法はありませんでした。
私たちの検討で夫婦染色体異常、子宮奇形のない夫婦の85%が累積的に出産しています。

次回生児獲得率p は

ogit(ps)=3.964-0.0652×(女性の年齢)-0.408×(既往流産回数)

の計算式で推定できます(文献36)。あなたの年齢と今までの流産回数を入力してみてください(ただし、7回以上の場合の計算は正確にできません)。次回の妊娠での出産成功率がわかります。

「あなたの年齢」と「過去の流産回数」に数値を入力すると、
「次回妊娠成功」と「累積妊娠成功」に計算結果が表示されます。

ピシバニールは夫リンパ球免疫療法と同等の成績でした。つまり、生理食塩水と同等であり、効果はありません。
ヘパリンについても同様です。原因不明習慣流産に対するアスピリン・ヘパリン療法、アスピリン単独、偽薬による無作為割り付け試験の結果、効果がないことがはっきりしました(文献38)。抗リン脂質抗体症候群に準じて、原因不明に対してもアスピリン・ヘパリン療法を行う施設が数多く存在します。まず、抗リン脂質抗体の測定が国際抗リン脂質抗体学会の基準に従って適切に行われているか主治医に聞いてください。全国調査の結果、90%以上の施設が適切な検査を行っていないことが明らかになっています(文献9)。
女性ホルモンであるプロゲステロン膣座薬の効果を調べる研究も行われました。妊娠初期に出血をおこす患者さんを対象に大規模研究が行われましたが、効果は認められませんでした(文献29, 30)。

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